なお、セロトニンは心身の覚醒だけでなく、睡眠や休息にも大きな影響をもたらしています。 それは「睡眠ホルモン」の「メラトニン」がセロトニンを原材料にしてつくられているから。 メラトニンは日没後、とっぷりと日が暮れた頃に分泌が高まって、 自然な眠気をもたらす物質です。
そして、このメラトニンは、朝、おてんとうさまの光を浴びてから だいたい15時間後に分泌されるとされています。 つまり、朝7時に光を浴びると、それを合図にセロトニン分泌が高まり、 それを原料にメラトニンがつくられて、15時間後の夜10時くらいに メラトニン分泌が高まって眠くなってくるのです。 だから、朝、いつも同じ時間におてんとうさまの光を浴びていれば、 夜、いつも同じくらいの時間に眠くなり、 規則正しい睡眠リズムを形成できるようになります。
さらに、セロトニンには「幸せホルモン」「癒やしホルモン」といった呼び名があるように、 心を癒やしたり、幸せな気分をもたらしたりする作用があることが知られています。 また、逆にセロトニンが不足すると、気分が落ち込んだり不安をつのらせたり イライラしたりすることが多くなり、うつ病になりやすくなるということも よく知られています。 ですから、普段から穏やかで幸せな気分でいられるか、 それともうつうつとした落ち込んだ気分になってしまうかも、 日々おてんとうさまの光を浴びて、セロトニンをちゃんと高めているかどうかが 重要なカギになるということになりますね。
このように、人間は、心も、体も、おてんとうさまの光によって スイッチが入るようにできているのです。
まさに、おてんとうさまによってすべてが始まり、 おてんとうさまによってすべてが整うようなもの。 もっと言えば、私たち人間は、 “おてんとうさまのおかげで日々生かされている存在”なのです。 |