日本でも世界中でも、お酒の席のつき合いは思っているよりも多いものですよね。 「カンパーイ!」と言って飲むビールは美味しいし楽しい。 糖質や脂質たっぷりのおつまみも、健康にはよくないと知っていても やっぱり箸が止まらない。
さらにはコロナ禍によるステイホームの影響もあって、 家飲みの習慣も新たなスタイルとして定着しました。 ただ気をつけたいのは、飲みすぎてしまうこと。 家にちゃんと帰るために終電の時間や酔っ払い具合を気にしなくていい分、 実は外で飲んでいる場合よりも、たくさん飲んでしまっているという データも出ているくらいです。
では一体どんな飲み方が、身体への負担が少ない上に楽しめるのでしょうか。 休肝日ってよく聞きますが、実際どんな効果があるのでしょうか。
そこでまずは、肝臓が一体どんな仕事をしているのかを知る必要があります。 肝臓というのは、人間の右脇腹のあたりに存在するとても大きな臓器です。 心臓や胃よりも存在感はないかもしれませんが、 500種以上の仕事をこなすともいわれる超働き者。 その中でも主な仕事と言われているのが、次の3つ。
【1】代謝 【2】解毒作用 【3】胆汁の生成・分泌 1つひとつ見てみましょう。
【1】代謝 我々はまずエネルギーを、食べ物から得ます。 食べ物は口の中で細かくなり、食道を通って胃に進み、胃液で溶かされたりして分解され、 腸で食べ物の栄養素が吸収されます。 でも、栄養素を単に吸収しただけでは、なかなか使えません。
そこで肝臓が、体内で利用しやすい形へと、栄養素を変換して貯蔵します。 そして必要な時にはそれに応じて、溜めていた分の栄養素を分解して エネルギーなどを作り出します。
やっかいなのは、人間が生きていく分に必要なもの以上の物質 (過剰に摂った糖質、脂質、アルコールなど)を摂取しても、 肝臓は「いつか必要になるかもしれないから、取っておかなければ!」と 律儀に考えてくれるので、例えば余分なエネルギーも蓄積してしまい、 脂肪肝となり、肝臓機能を低下させる原因にもなります。
肝臓で分解された物質は血液をめぐり、全身の器官などに送り出されます。 栄養素を体が利用しやすい形に分解・合成します。 この働きを代謝と呼び、何らかの病気で肝臓の機能が低下すると代謝も低下します。 そうすると食事をしても、必要なエネルギーや物質に分解されにくくなり、 代謝異常が起こってくるのです。
【2】解毒作用 体内で有害と判断された物質は、何らかの形で体外に排出しなければなりません。 でもその前に、体内に居座る間は解毒をしてなるべく害を減らしたいのですが、 この解毒作用の主な部分を肝臓が担当します。(腎臓が担当することもありますが)
肝臓は私たちが摂取した有害物質(アルコールや薬剤など)や代謝の際に生じた 体に有害な物質を、毒性の低い物質に変換して、尿や胆汁中に排泄できる形にするという 役割(解毒作用)を持っています。
ただし、有害物質があまりにも多いと、この肝臓の解毒作用が追いつかず、 肝臓に大きな負担をかけることになってしまいます。
【3】胆汁の生成・分泌胆汁というのは、 右脇腹にある肝臓の真ん中あたりにくっついている、 小さい巾着のような胆嚢(たんのう)と呼ばれる袋から分泌される液体のことです。 この胆汁は肝臓の中で常に分泌されている物質で、 主に脂肪の乳化とタンパク質を分解しやすくする働きがあり、 これにより脂肪は腸から吸収されやすくなります。
また、コレステロールを体の外に排出する際にも必要となってきます。 |