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「肝臓を休ませる方法」2024年 卯月

 

 

休肝日を設ける程度では、肝臓は休まらない。

 

肝臓は500種以上の仕事をこなしている

日本でも世界中でも、お酒の席のつき合いは思っているよりも多いものですよね。
「カンパーイ!」と言って飲むビールは美味しいし楽しい。
糖質や脂質たっぷりのおつまみも、健康にはよくないと知っていても
やっぱり箸が止まらない。

 

さらにはコロナ禍によるステイホームの影響もあって、
家飲みの習慣も新たなスタイルとして定着しました。
ただ気をつけたいのは、飲みすぎてしまうこと。
家にちゃんと帰るために終電の時間や酔っ払い具合を気にしなくていい分、
実は外で飲んでいる場合よりも、たくさん飲んでしまっているという
データも出ているくらいです。

 

では一体どんな飲み方が、身体への負担が少ない上に楽しめるのでしょうか。
休肝日ってよく聞きますが、実際どんな効果があるのでしょうか。

 

そこでまずは、肝臓が一体どんな仕事をしているのかを知る必要があります。
肝臓というのは、人間の右脇腹のあたりに存在するとても大きな臓器です。
心臓や胃よりも存在感はないかもしれませんが、
500種以上の仕事をこなすともいわれる超働き者。
その中でも主な仕事と言われているのが、次の3つ。

 

【1】代謝
【2】解毒作用
【3】胆汁の生成・分泌
    1つひとつ見てみましょう。

 

【1】代謝
我々はまずエネルギーを、食べ物から得ます。
食べ物は口の中で細かくなり、食道を通って胃に進み、胃液で溶かされたりして分解され、
腸で食べ物の栄養素が吸収されます。
でも、栄養素を単に吸収しただけでは、なかなか使えません。

 

そこで肝臓が、体内で利用しやすい形へと、栄養素を変換して貯蔵します。
そして必要な時にはそれに応じて、溜めていた分の栄養素を分解して
エネルギーなどを作り出します。

 

やっかいなのは、人間が生きていく分に必要なもの以上の物質
(過剰に摂った糖質、脂質、アルコールなど)を摂取しても、
肝臓は「いつか必要になるかもしれないから、取っておかなければ!」と
律儀に考えてくれるので、例えば余分なエネルギーも蓄積してしまい、
脂肪肝となり、肝臓機能を低下させる原因にもなります。

 

肝臓で分解された物質は血液をめぐり、全身の器官などに送り出されます。
栄養素を体が利用しやすい形に分解・合成します。
この働きを代謝と呼び、何らかの病気で肝臓の機能が低下すると代謝も低下します。
そうすると食事をしても、必要なエネルギーや物質に分解されにくくなり、
代謝異常が起こってくるのです。

 

【2】解毒作用
体内で有害と判断された物質は、何らかの形で体外に排出しなければなりません。
でもその前に、体内に居座る間は解毒をしてなるべく害を減らしたいのですが、
この解毒作用の主な部分を肝臓が担当します。(腎臓が担当することもありますが)

 

肝臓は私たちが摂取した有害物質(アルコールや薬剤など)や代謝の際に生じた
体に有害な物質を、毒性の低い物質に変換して、尿や胆汁中に排泄できる形にするという
役割(解毒作用)を持っています。

 

ただし、有害物質があまりにも多いと、この肝臓の解毒作用が追いつかず、
肝臓に大きな負担をかけることになってしまいます。

 

【3】胆汁の生成・分泌胆汁というのは、
右脇腹にある肝臓の真ん中あたりにくっついている、
小さい巾着のような胆嚢(たんのう)と呼ばれる袋から分泌される液体のことです。
この胆汁は肝臓の中で常に分泌されている物質で、
主に脂肪の乳化とタンパク質を分解しやすくする働きがあり、
これにより脂肪は腸から吸収されやすくなります。

 

また、コレステロールを体の外に排出する際にも必要となってきます。

 

アルコールの強さは遺伝で大きく決まる

いかがでしょうか、実はこんなにたくさんの仕事を、肝臓は黙々と行なっているのです。

 

ということはもしかして「休肝日」つまり肝臓を休ませてあげるためには、
アルコールだけを送り込まないようにすれば済むってものではない、と思い始めませんか?

 

実際に肝臓は、食事を適度にバランスよく摂っているような状況であれば、
それほど常にフル稼働しているという状況にはなりません。
ただし暴飲暴食をすると、肝臓が通常の生活を送る上で働かなければいけない
仕事量があるのに、糖質やアルコールを大量に送り込むことにより、
残業や重労働をさせてしまうことになるというイメージですね。

 

では、体質的なアルコールへの強さ・弱さは、肝臓の仕事量に影響はあるのでしょうか。
体の中に入ったアルコールは20%が胃から、残りの80%が小腸で吸収されたのちに、
血流に乗って肝臓に運ばれて分解されます。
この分解の過程で「アルコール(エタノール)→アセトアルデヒド→酢酸」と姿を変えて、
最終的に炭酸ガスと水になります。

 

体内にアルコールがたくさんある状態がいわゆる「酔っ払い」の明るく楽しい状態。
逆にアセトアルデヒドが体内にたくさんある状態が、
頭が痛かったり気持ちが悪かったりする「悪酔い」の状態だと思ってもらえれば
わかりやすいと思います。

 

ですから悪酔いしている=具合の悪い状態を早く抜け出すには、
この「アセトアルデヒト→酢酸」の行程を速やかに通過する必要があります。

 

この「→」の部分で働く代謝酵素のパワーによって、お酒の強い・弱いが決まります。
実はこの体質は遺伝で大きく決まってくるので、
家族が飲めない人ばかりであったり、家族全員酒豪であったりといった差が
生まれるのです。

 

お酒は1日にどれくらいまで飲んでも平気か?

これまでの医学研究から、どのくらいの量をどの期間飲み続けると、
肝臓に障害が発生してくるかの、およその目安がわかってきています。

 

「日本酒3合を、毎日5年間飲み続ける」これが「アルコール性肝障害」と呼ばれる
お酒で肝臓が悪くなる状態を作り出してしまう量だと言われています。

 

純アルコール換算すると、1日におよそ23gに相当します。他のお酒であれば、1日に、
・ビール:大ビン1本(633mL)
・ウイスキー:ダブル1杯(60mL)
・焼酎(25度):0.6合(110mL)
・ワイン(赤・白):ワイングラス2杯(200mL)
程度と言われています。

 

肝臓はアルコールを代謝する以外にも、たくさんの仕事をしています。
暴飲暴食で肝臓に残業させることなく過ごすためには、
暴飲暴食の日を続けて時々お休みの日をあげることを意識するよりも、
常に過重労働をさせないように、肝臓にホワイトな職場環境を提供できるように
意識することが大切です。

 

 

<結論>
・肝臓のお仕事は500種以上。アルコール分解以外にもやることが膨大にあるので、
   休肝日を設けるだけでは完全には休まらない。
・アルコールが弱いのは遺伝で決まる。家系的に弱い人はさらに注意。
・平均的な日本人であれば、アルコールは1日に23g未満で済むようにとどめる。

 

 

柳澤綾子著『身体を壊す健康法 年間500本以上読破の論文オタクの
東大医学博士&現役医師が、世界中から有益な情報を見つけて解き明かす。』から。

 

健康関係Webページ 参照

 


 

 

今冬は暖冬だったので、早々(3月中旬)頃に桜が開花するんじゃないかと思っていましたけど、
3月に入ってから寒くなったり雪が降ったり、温暖の差が激しいですね。。。
今年の桜の開花は例年よりも遅れそうです。(小学校の入学式辺りが満開なんでしょうか!?)

 

「カンパーイ!」が多そうなこの季節にあえて「肝臓」などを拾ってみました。
お酒で肝臓が悪くなる状態を作り出してしまう量が平均的な日本人であれば、
純アルコールで1日に23g未満、、、
WEBマスが愛飲している焼酎(25度)で:0.6合(110mL)まで。。。

 

365日晩酌を欠かさないWEBマスは遺伝的に? 1日焼酎:300mLまでは
大丈夫だと勝手に信じています。(大汗)

 

ご参考までに・・・
つづく。