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「薬やめる科」2023年 如月

 

 

 

歳を重ねるなかで様々な基礎疾患に悩まされ、通う病院も服用する薬の種類も増える。
しかし、医者の出す処方箋を信じて漫然と飲んできたその薬は本当に必要なのか。
日本初の「薬やめる科」を開設した医師は「薬の9割はやめられる」と言う。

 

「薬を飲み続ける方は多くいますが、本当にこのまま“薬漬け”の生活でいいのでしょうか。」
そう語るのは、熊本市にある松田医院和漢堂の松田院長。
同院で日本初の「薬やめる科」を開設し、積極的な断薬・減薬の取り組みを行なっている。
では具体的にどのような薬が「やめられる薬」なのか。

 

 

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まずは患者数4000万人とも言われる高血圧。
数値を抑えるために、長年にわたり降圧剤を服用する人は多いだろう。

 

「高血圧の薬だけで3種類以上飲んでいるケースも少なくない。
できるだけ1種類まで減らしていくことですね。
なかでもカルシウム拮抗薬、ARBは効き目もたしかなので、それぞれ1種類まで絞りやすい。
一方、効き目もマイルドな利尿薬、β遮断薬は、ほかの降圧剤の補足として処方されることが
多く、比較的減らしやすいかもしれません。もちろんケースバイケースですが。」

 

当然ながら、薬をやめるには医師の診断・指導が欠かせない。
松田医師のもとで断薬、減薬に取り組んだ60代男性の例を見てみよう。

 

40代後半に高血圧と診断された男性は、他院で長年にわたり降圧剤を処方されてきたが、
年を経るごとに薬が増え、カルシウム拮抗薬など血圧の薬だけでなんと5種類、
さらに脂質異常症治療薬1種類など1日計10錠を服用していたという。

 

「まず、脂質異常症治療薬をやめてもらいました。
そもそもコレステロールは細胞膜の材料になり、脳や神経細胞にも多く含まれる必須物質。
薬でコレステロールを下げると肝細胞の膜が薄くなり肝障害が起きる可能性もある。
特殊な病気の人を除いて脂質異常症治療薬はやめやすい薬だと思います。」

 

続いて、降圧剤の種類を減らすことに取り組む。
「薬を減らすだけでは血圧が上がってしまうので、
食事をはじめ生活習慣の見直しを指導しながら、
降圧作用が穏やかなカルシウム拮抗薬など3種類を1錠ずつ残してやめてもらいました。

 

2週間後の診察では1日10錠の服用時に出ていた頻脈の副作用も消え、
減薬したにもかかわらず血圧は上が118に低下。
現在も治療中ですが、薬は2種類の降圧剤1錠ずつまで減らせています。」

 

一方、減らすことがなかなかできないのが糖尿病治療薬。
「糖尿病はまさにケースバイケースで、一概に減らせる薬を言うのは難しい面があります。
しかし、糖質制限食を実行するなど、生活習慣の改善で血糖値を下げることはできる。
そうなれば、服用中の薬の用量を減らすことはできるはず。」

 

薬剤師の長澤氏はこう言う。
「糖尿病薬でもし減らせるとしたら、初期に処方されることが多い
糖質の吸収を遅らせて血糖値上昇を抑えるタイプの薬です。
他の糖尿病治療薬と併用されるケースが多く、
副作用でお腹が張る症状が出ることもあるので、やめる選択肢もある。」

 

 

薬は“お守り”ではない

脂質異常症治療薬と並んで「すぐにやめていい」と指摘するのが、骨粗鬆症治療薬。
「やめても何もリバウンド症状が出ないことが理由。
実はこの薬は骨を丈夫にするために飲むはずが、
副作用に骨折、骨の壊死などと書かれているのです。
おかしいと思いませんか。
食事からカルシウムを摂り、運動をして骨を丈夫にするのが本筋です。
もっともやめやすい薬だと言えます。」

 

生活習慣の改善で対応できる便秘薬も
一部のひどい便秘の人を除けば比較的「やめやすい」という。
「食事や運動、乳酸菌の摂取など、民間的なサポート手段を試すと良いでしょう。」

 

胃腸薬も、降圧剤など他の薬と同時に補助的に処方されるような場合も多く、
やめやすい。「特に胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬は、
『症状がないならすぐにやめましょう。』と伝えたい。

 

逆流性食道炎や急性期胃潰瘍などには強力で効果が高い薬ですが、
症状もないのに、安易に処方されているケースが非常に多い。
継続的に服用すると栄養障害や認知障害、肺炎や腎障害など
副作用が起こる可能性が正式に報告されています。」

 

同様に解熱鎮痛薬も“お守り”がわりに飲む薬ではないという。
「よほどつらい症状でない限り、熱を冷ます、痛みをとるなどの理由で
長期的に飲む薬ではありません。
どうしても痛むなら、そもそもの根本的な治療が必要です。
痛みなどがどうしようもない時に頓服する場合でも、
効果が実感できなければ意味がない。」

 

反対に、「すぐにやめないほうがいい」薬もある。
睡眠薬、抗不安薬、精神安定薬などの呼び名で使われるベンゾジアゼピン系薬。

 

その最大の理由は、急にやめることで起きる離脱症状。
長期間飲み続けることで副作用の懸念が高まることから、
「やめたほうがいい」薬だが、ベンゾジアゼピン系は依存性が極めて強く、
さらにやめたり減らしたりすることで、震えや不眠などの離脱症状に苦しむケースがある。

 

「ベンゾジアゼピン系は認知障害、感情の障害、神経や筋肉の障害など
怖い副作用があることから、やめられるならやめるべき薬なのですが、
離脱症状に耐えられない患者さんも多くいます。
やめるポイントは、必ず医師に相談しながら減薬すること。
実際には2~4週間ごとに徐々に減らすなど、
服用期間の長さに応じて時間をかけてゆっくり行なうことです。」

 

では、服用中の薬を減らしたい時、かかりつけ医にはどう切り出せばいいのか。

 

「まず、おくすり手帳と飲んでいる薬の添付文書、
あるいは副作用が書かれている紙をネットで探してプリントアウトし持参します。

 

12種類以上の薬や組み合わせ注意の薬を処方されている人は、
定期的に送られるお薬相談通知書も医師の判断材料になる。
これらは、処方医に薬の副作用があるかどうかを見極めてもらうための大事な資料となります。
医師に直接『やめたい』と伝えるのが難しい場合は、家族に同伴してもらいましょう。」

 

医師の同意が得られれば薬をやめる取り組みを始めてもらうことになる。
「薬をやめるかどうかは、最終的には本人の人生観次第です。
私は、『薬をやめたい、減らしたい』という患者さんに向き合い、
できることから取り組み、薬や病院への依存を減らしていくつもりです。」

 

自己判断で薬をやめたり減らしたりすることは危険が伴うので厳禁。
まずは「先生が嫌な顔をするかも」などと思わず、
医師・薬剤師に自身の意思を表明するところから始めることです。

 

週刊ポスト 参照

 


 

 

未だ宇都宮では積雪がありませんね。。。
寒い日が続いています、お身体ご自愛下さい。

 

週刊誌ネタではありますが「お薬」などを拾ってみました。
幸いにWEBマス、今はまだ常用薬などはありませんが
歳を重ねてくるとお医者さんからの薬を飲んでいる人が多くなってきますよね!?
副作用なども考えたりすると...ね。

 

ご参考までに・・・
つづく。