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「年をとると涙もろくなるワケ」2020年 卯月

 

 

子供の些細な言動、夫の何気ない態度、たまたま見たテレビドラマ…
毎日の生活の中で、うっかり涙が出てしまうことはないだろうか。

 

「昔より涙もろくなった」と自覚があるあなたは要注意。
できる大人は涙のON・OFFをコントロールするのが最新の健康術です。

 

涙の仕組み

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まず、涙の仕組みを覚えておきたい。

 

もととなるのは血液で、上まぶたにある「涙腺(るいせん)」の毛細血管から分泌される。
血液中の赤血球が取り除かれた液体で、9割が水分でできている。
何もしていなくても、1分間に1マイクロリットルほど目の表面を流れ、
眼球が乾燥しないように表面を潤した後、
「涙点(るいてん)」という上下のまぶたの目頭の際にある穴に流れ込む。

 

その後、鼻の奥にある「鼻涙管(びるいかん)」を通過する間に粘膜に吸収される。
涙点に流れ込む許容量を超えた液体が「涙」となり、
鼻涙管での吸収が間に合わなかった液体が「鼻水」となる。

 

涙の役割3つ

「1つめは眼球が乾かないようにするため。
2つめは『防御反射』といって、目にゴミが入ったり、
玉ねぎを切った時などの刺激から角膜や結膜を守っている。
この2つは誰もに同様に備わっている機能です。

 

そして3つめは、心が動かされたことによる“情動性の涙”。
感動したり、ストレスを感じることで生じる涙で、個人差があります。」

 

情動性の涙は、脳の前頭葉にある「前頭前野」という部分が活性化することで起こる。
その作用から、前頭前野は別名「共感脳」とも呼ばれる。

 

「“共感”は、映画を見たり、歌を聴いたりしたことによる外部からの刺激と、
自分の“記憶”が共鳴することで起こります。
自分の経験がもとになるので、年を重ねて人生経験が多いほど共鳴する回数も増え、
琴線に触れやすくなるのです。」

 

昔より涙もろい人は前頭前野の機能低下の可能性も

しかし、共感だけが涙もろくなる理由ではない。
前頭前野には「情動を抑制する」機能もある。

 

「円滑なコミュニケーションをとることや、思考する能力、意思決定する能力、
そして喜怒哀楽の感情表現、これらはいずれも前頭前野が司っています。
前頭前野が鍛えられている人は、“泣く”や“笑う”などの感情をコントロールすることが可能。
昔より涙もろくなったと感じるならば、前頭前野の機能が低下している証拠です。」

 

つまり、「すぐ泣く人」よりも「涙を抑えられる人」の方が、
前頭前野の機能が高く、認知機能も高いということ。

 

「涙もろいだけでなく、怒りっぽくなった、キレやすくなった、
なども前頭前野の機能低下が原因です。
涙もろい人は怒りっぽいと言っても過言ではない。
泣かない相手に対して、“冷淡”“無表情”などと捉える人もいますが、それは間違い。
本当の無表情とは、前頭前野の機能低下が進んだ状態で、
たとえば重度の認知症のかたに見られます。」

 

脳の老化は、涙をコントロールできなくなったら危険信号。
感情が抑制できなくなれば、他人に迷惑をかける「暴走老人」になりかねない。

 

「ここ一番」で泣いて健康に

ただし、涙もろいのは悪いことばかりではない。

 

「涙が流れるまでの脳の動きには、予兆があることがわかりました。
泣きそうだと感じ、胸が締めつけられるなどの現象が30秒~1分ほどある。
この間は、自律神経の1つである『交感神経』の緊張が高まっている状態で、
緊張の限界を超えると涙があふれます。
しかし涙が出ると『副交感神経』に切り替わるため、ストレスが緩和されるのです。」

 

泣くとスッキリするのは、涙によって脳がリフレッシュするおかげ。

 

しかし、涙をがまんすると、解消されなかったストレスが蓄積されることになる。
そのストレスが体や精神にダメージを与える可能性は大きい。

 

ストレス対策には週1で涙活を

ストレスを和らげる「副交感神経」は主に寝ている時に優位になるが、
スマホやパソコンによって脳が疲弊している現代人は、睡眠不足に陥りやすいという。
そこで有効なのが、意図的に涙を流す「涙活(るいかつ)」

 

「『涙活』では、昼間に複数人で集まって映像を見たり、
話し合いをしてわざわざ泣く状況をつくります。
週に1回程度、意識して泣くことで、疲れやストレスを解消できます。」

 

泣く時は思いっきり泣くことが健康の秘訣。
だからといって、なんでもかんでも泣いていいわけではない。
「大人こそ、涙を安売りすべきでない。」

 

「涙は、ここ一番の時に取っておく。
“この程度のことで”ということで泣く人は、鍛錬不足です。
脳トレを生活習慣にして脳を鍛えていれば、涙をコントロールすることは可能です。」

 

大きな声で文章を朗読する、文字を書く、簡単な計算を素早く解く、
など簡単なことで効果は充分。

 

1つだけ注意したいのは、涙もろさの原因が目の病気かもしれない可能性。

 

「肌の水分と同様、涙も加齢とともに減少するのが普通です。
ですが、涙が通過する『鼻涙管』が狭くなったり、
閉塞する病気になると涙がたまりやすくなり、
涙嚢炎(るいのうえん)や鼻涙管炎になる恐れもあります。

 

また、白目の結膜がたるむ『結膜弛緩症』は、結膜のひだの間に涙がたまる。
悪化すると結膜下出血を繰り返すといった症状が起こる可能性があります。
どちらも根本的な治療は手術しかないので、
目に不調を感じた場合は早めの受診を心がけて下さい。」

 

涙が出るたびに自分の心と体を見つめ直し、その涙の理由をしっかり見極めることが大切。

 

女性セブン12月19日号 参照

 


 

 

先日(3/29)季節外れの「雪」が降っていましたが、今「宇都宮」桜満開でーす♪
こんなご時世なので、個人的には明るく前向きに「この春」を楽しみたいと思います!

 

ストレスに「涙活を」ってことで、、、今回は「涙」などを拾ってみました。。。
雑誌ネタではありますが...。

 

ご参考までに・・・
つづく。

 

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3月28日  Twitter「@shiori_in_____」