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「気質」2023年 卯月

 

 

「性格の違い」に隠された気質とは?

そもそも人間の性格はいったいどのように形成されるのでしょうか?

 

今は多様性の時代といわれています。
皆さんも「多様性を尊重しよう。」「みんな違っていい。」といった言葉を
見聞きすることが多いと思います。
一方で、日常生活では、周りの人との考え方や性格の違いによって、
衝突したりモヤモヤしたりすることが少なくありません。

 

カナダ出身の精神科医バーン博士は「人間の悩みの80%は、人間関係である。」
という言葉を残しています。

 

「みんな違っていい。」というけれど、
では何が違うのかを皆さんは理解しているでしょうか。
その違いが、あなたにとって本当にいいことなのでしょうか。

 

多様性への尊重は、その中身を理解している場合に成立します。
例えばLGBTQという分類があり、それぞれの違いを理解しているからこそ
尊重することができます。

 

人の性格の多様性も、その違いの成分・属性がわかると尊重でき、わかり合えるのです。

 

人間関係でストレスを抱えて
「上手くかみ合わないな…」「生きづらいな…」と感じるのは、
他人と自分とで何が行き違っているのかがよくわからないからです。

 

「違い」を知れば、目の前にあるグレーに曇った雲が青くスッキリ晴れて、
抱えがちなストレスも軽減されます。

 

そこで、あなたを悩ませている性格の違いについて、少し具体的に見ていきましょう。

 

「気質」と「人格」がわかると人への理解が深められる

「人の性格の違いはどこから生まれてくるのでしょうか?」

 

この質問をすると、約9割の方々が「遺伝と環境の影響でしょう」と答えます。
歴史的に見ると1800年代には、
人の性格は生まれ持つ性質や要素によって決まるとされていました。
その後心理学が確立され、後天的な環境によっても
性格が育まれるという考え方が唱えられるようになります。

 

そして現在はどうかというと、生まれながらに持つベースの「気質」と、
後天的な生育環境によって育まれる「人格」によって、
人の性格が形成されると考えられるようになっています。

 

つまり、生まれ持ったものと環境の両方とも重要であり、
両方わかるとさらに人への理解が深められるということです。
人が生まれ持つ気質は、中心の核のようなものです。
そして、その周りを取り囲むように、
後天的に育まれる人格の膜が後から覆われていきます。

 

私たちは、2歳半頃に訪れる第一反抗期(イヤイヤ期ともいわれている)という
自我が芽生え始める時期に、生まれ持った気質がそのまま性格にあらわれます。
その後、年齢を重ねていくうちに、いろいろな環境で生きていくなかで、
気質を取り囲む人格の膜が分厚くなっていきます。

 

だから、人が成長していくと、本来持っている気質が見えにくくなることがあります。

 

人の気質はまず、大きく3つに分かれている

人の性格の土台となる「気質」について、詳しく見ていくことにしましょう。

 

気質は、まずは大きく3つに分かれています。
日本コミュニケーション心理学協会の溝口会長の考案にもとづいて、
まずは土台である気質を次の3つでお伝えします。

 

なお、アメリカの心理学者であるシェルドンの「頭脳緊張型」「内蔵緊張型」「身体緊張型」
ドイツの学者クレッチマーの「同調性気質」「内閉性気質」「粘着性気質」と、
スイスの心理学者であるユングの「内向―外向」「思考―感情」「感覚―直感」の
タイプ分け理論を組み合わせています。

 

(1)理論型(I型=Intellectual)
(2)感覚型(E型=Emotional)
(3)行動型(P型=Physical)

 

 

【思考を重視する理論型気質】

(1)理論型とは、思考を重視する気質タイプであり、
何事にも「なぜ?」と理由を聞きたがります。
理由を知って納得してから動こうとする傾向があります。

 

自分なりに考えて、段取りをして準備が整ってから行動したい気質なので、
行動を先に促されたり、急かされたりするのが苦手です。

 

また、知的な表現や言い回しを好む、分析的な態度を取る、
終わったことよりも未来のことを考える、といった特徴があります。

 

 

【感覚や気分で動く感覚型気質】

(2)感覚型は、感覚や気分で動く気質タイプです。

 

普段から印象や感じ方で物事を判断する傾向があり、
「このお店、雰囲気がいいから入ってみた」「わからないけど、何となくいいと思った」
といった表現をよく使う人は、感覚型気質の可能性が高いです。

 

感覚型の人は好き嫌いがハッキリしていて、人情深く、情に流されやく、
人に気をつかいがちです。

 

買い物に行って店員さんに親切にされると、あまり欲しくなかったものまで、
ついつい買ってしまうところがあります。

 

また、理論型の人が未来を考えるのに対して、感覚型の人は過去を重視します。
「あの時、ああすれば良かった…」
みたいに反省しがちなのも、感覚型気質の特徴といえます。

 

 

【体験重視の行動型気質】

(3)行動型は、初動のスピードも早く、とにかく動いてみたい、
やってみてから考えたいという体験重視の気質です。

 

理屈をあれこれ知る前に、とにかく実際に試して理解しようとするところに
最大の特徴があります。

 

物事を合理的に見てムダを嫌うので、結論が見えない長い話が苦手です。
話を聞いている途中で「で、結論は?」「結局どうするの? 決めてしまおう」
というように早く話が終わる流れを作るのは、行動型の人に「あるある」の反応です。

 

未来・過去でいうと、先々の予定や過去の反省を考えるよりも、
今この瞬間に集中しがちです。
計画はまず目の前のことを片づけてから考えます。
今の自分に必要がないものは躊躇なく捨てることができます。

 

 

この3つの気質は親からの遺伝とは無関係です。

 

そのため、兄弟姉妹でも気質が全然違うこともありますし、
親と子で全然違うことも大いにあります。

 

まずは土台となる3つの気質を知れば、パートナーシップ、
上司部下、会社でのあらゆる人間関係、子育てに理解が深められ、
また、ビジネスでのセールスやクレーム対応などにも適切に対応できるようになります。

 

 

婦人公論.JP Webページ 参照

 


 

 

今春は「桜」の開花が早いですね!
宇都宮でも今が " 満開です♪ "

 

4月ということで!?
人間関係やコミュニケーションにも関わる「人の気質」などを拾ってみました。

 

「人間の悩みの80%は、人間関係である。」
うん。なるほど...。(笑)

 

ご参考までに・・・
つづく。